2010年8月12日木曜日

渋谷にて (2)


畠山です。
渋谷のタワーレコードにて、それは夜の8時くらいの出来事だった。ケイドロック本人達が作ったポップを納品するために訪れた。残念ながら上記の写真にはそのポップは映っていないのだが、その手作り感溢れるポップを見たときの店員さんの反応を描写すると、戸惑いから開き直り、そして閃きといった心理を経過していくのが手に取るように解った。この間およそ1秒ほどである。恐らく推測するに、ケイドロックを初めて聞く人もおよそこのような心理状態を経験するのではないだろうか。アルバムは茫漠とした草原地帯を思わせる音風景のフィールドレコーディングからはじまるかと思いきや、突如その風景にケイドロックの二人が闖入して来るという場面から始まる。彼女達はいったい何をやっているのだろう。
アヒルの鳴き声のような音を出している。驚いている間に次の曲、少女の恋を歌った秀逸な弾き語りが始まる。ある友人ははこのアルバムを聞いて『自由だね』と語ったのだが、その言葉はまさに的を得たコメントだと考える。誰の言葉だったか忘れてしまったが、『自由とは許されること』というフレーズをどこかで読んだことを思い出す。このアルバムこそ、『許されること』を体現しているような気がしてならないと同時にこのアルバムを聞く人もまた、このアルバムを聞くことによって『許される』のではないだろうか。
ふとそんな事を考えてしまった。